一帖の輪行術 其ノ二


前回より。

様々な輪行方法がある中で、いつも個人的にする輪行方法である。
各々のバイクと旅先に合わせた、それぞれの正しい輪行方法を見つけて頂きたい。


OSTRICH OS-500。

いよいよ、肝心要の梱包へ。
ここでは、飛行機の国際便に積み込む梱包をする。
 国際便の預け荷物は、かなりハードな運搬になる。
いかに大切な荷物でも、積み下ろしするクルーの方たちからすれば、毎日次から次にドンドン流れてくる大量の重量物のひとつに過ぎない。


無事に庫内へ丁寧に積み込まれても、ぎゅうぎゅうに押し込められた庫内で何時間も揺られることになるので、キズやダメージを受けることは必須である。
自転車を衝撃から護るためには、いかに自分で対策ができているかにかかっている。
自分の身は、自分で守らなければならないのだ。


輪行に使用する道具。
工具類、保護材、エンド金具は必需品。
他に、梱包ラップ、リリースタイがあると、非常に作業が捗る。


まずは、ペダルを外していく。
六角レンチやペダルレンチで外していくのだが、左クランク(チェーンリングのない方)は”逆ネジ”になっているので注意。
ペダルを漕いでいて、外れてしまわないようにである。
写真の場合、逆ネジを反対側から外すので、つまり通常のネジを緩める方向になる。


右クランクは、正ネジを反対側から回すので、反対向きに回す。
チェーンリングで手をケガしないよう、ウェスなどを挟むと安全に作業ができる。
迷ったら、裏返しの場合は、バイク進行方向へ回す、と覚えればよい。


ペダルはバラバラにならないように、まとめておく。
リリースタイは、工具も必要なく、繰り返し何度も使えて経済的。


次に、フレーム各所へ保護材を取り付けていく。
あらかじめ、チューブに合わせたサイズの物を用意しておくと、作業がスムーズ。
自分が使っているのは、プチプチの強化版。ハードな素材を使用しているので、繰り返される衝撃から機材を目的地まで守ってくれる。


リアディレイラーを外す。


チェーンをアウターに入れたままタイラップなどで留める。
チェーンリングごとタイヤなどをかまして保護すると、自転車にもバッグにも優しくなれる。


外した後には、前後にエンド金具を嵌める。
クイックを使ったエンド金具を使えば、ディレーラーハンガーも保護できる。
無い人は、ディレーラーハンガーを外してしまっても良い。


リアディレイラーとチェーンをウェスなどでまとめて、クランクと一緒(右でも左でも)に梱包ラップでぐるぐるに固定する。
梱包用ラップはホームセンターで数百円程度で売られていて、輪行に限らずとも日常の様々な場面でも使えたりするのでオススメ。


ブレーキレバーが衝撃などで折れないように、ハンドルバーまで目一杯引いた状態で固定。


ブレーキキャリパーがフレームに干渉しないように、フォークを左向きにする。
コラムからステムごと外したハンドルバーとともに、遊びがないよにラップでガチガチに固定する。
ハンドル・ブラケットはフレームフロント三角内部、あるいは衝撃が加わってもズレないように固定できる場所を探す。
ハンドルの処理はいろいろな方法があるが、自分はこれが安心な気がする。


あとは、ボトルケージが折れないようにボトルを入れて、完成。


バッグに入れたら、規定重量以内に収まるように、ホイールやその他物資を詰め込む。
ホイールのタイヤは空気を抜かなければならないが、衝撃からリムを守るためにも、気圧差を考えて少しだけ残してホイールバッグへ。
なるべく、バイクが暴れないようにパンパンにするのがコツ。
もし隙間が開くなら、緩衝材をフレームや隙間に追加する。


このかた、この方法でこのバッグを使用して、フレームが割れたりしたことはない。
クルーの方の負担や時間の短縮に協力するためにも、できるだけ軽くすることもポイント。

さて、いずこへ参ろうか。
※適宜、更新予定。

続く...

OSTRICH

其ノ一

コメント

  1.  初めて書き込みます。
    遠征の梱包というのはずいぶんと手間がかかるのですね。
    選手は、この梱包をしている間、レースへの期待でワクワクしているのでしょうか?それとも?

    自分は1月のUCIランキングを見たとき、アジアコンチとして2位に入っておきながら自動招待枠を逃し、残念に思ったのですが、この様子ならば次の遠征も近い という事でしょうか?

    ツアーオブタイでタイランドマスター中島選手や雨乞選手の爆発が見れるのでしょうか?
    はたまた、ランカウイのキャメロンハイランドを駆け上がるマルシア選手やジャイ選手やルバ選手が見れるのでしょうか?

    はたまた、ヨーロッパ遠征という可能性も。

    近年のアジアツアーは、各チームの実力差が縮小しているように感じていて、見ているコチラとしてはとても面白いです。
    プロコン並な戦力を有する右京やべネロングだけでなく、
    ツアーオブインドネシアで総合1・2を取ったタイコンチ、コロンビア人2名だけでない総合力を有するsapura。
    中堅のトレンガヌやLX、成長著しいセントジョージや7・11セブンイレブンやインドネシア勢。
    当然、イラン勢やBAKU,KOLSS,VINO,MINSKなどの東欧、中東、中央アジア勢も強い。

    それでも、今年のKINANならば…。

    禊はAACA第2戦に済ませ、悪い運気は吹き飛ばしたかと思うので、次のレースは期待が膨らみます。
    次は誰が表彰台に上がるのかとても楽しみです。

    返信削除
  2. ありがとうございます。

    輪行をしている最中は、無心で集中している事が多いです。
    遠征時には、他にも準備や片付けなどがあるので、なるべく早く済ませてしまいます。

    レースは直前にならないと出れるか分からない、という事が多いです。
    僕は一体、次にどこへ輪行するのでしょうか...

    返信削除
  3. OSTRICH OS500は袋の合計長が238cmで最近の国際線で謳われている203cm以下は無料の制限を超過してしまうと思うのですが、超過料金などを取られたりすることはないですか?

    返信削除
  4. ほとんどの航空会社で、自転車(スポーツ用品)として預かってもらえます。
    普通の荷物としては、預かってもらえません。

    超過料金は発生したりしなかったり、航空会社の規定によってマチマチなので、予めご確認されることをお勧めします。

    返信削除

コメントを投稿