31.3.17

Tour de Tochigi 2.2 1ère étape

ツールド栃木 第1ステージ 115km

少し早めに現地入りし、試走した感じではほぼフラット。
斜度がキツめのKOMが設定されているが、かなり短い。風も少しだけ吹いている。
圧倒的に集団有利なコースであろう。

レース前ミーティングでは、基本的にはスプリントも強いリカルドを柱に展開を考える。
しかし距離も短く難易度が低いコースなので大集団スプリントに持ち込むより、全員で攻めて、誰でも勝てる展開位置に持ち込むこと。

昨日までの春の陽気とは打って変わり、かなり冷え込んだ朝。
APEXウェザーガードジャージにレッグウォーマーを着込んでスタートラインへ。

11kmのパレードを経て、スタート。
序盤は下り基調のためにかなりのハイペースで進んでいく。各チームが入り乱れての打ち合いになる。

スタートから10km過ぎたくらいで、各チーム乗せた逃げができるが、キナンからは誰も乗っていない。集団は脚が止まる。
ここで前を追える位置にいたのが自分だったので死ぬ気で前に追走をかけるが、すかさずチェックを入れられる。

前までジリジリ近づいてる気がするが、くそ、マジでキツい。誰も先頭交代してくれない。道理なので仕方がないのだが。

後ろに気を取られていては前に逃げられてしまうので、恐らく2分走のベストを更新したであろう追い込みでなんとか先頭グループを引き戻す。正味、もう脚を8割5分使った感覚だ。

ハイペースは収まる気配もなく、幾多の立ち上がりで脚を休められない。アタックに反応するが、マジでキツい。
最初のKOMに向けてのじわじわ登っていく区間で、KOM手前で脚はすでにオールアウト寸前。
集団前方ではアタックがかかり、元喜が対応してくれているのが見えるが、前に上がれない。

全くリカバリーできずに、最初のKOMに差し掛かる。
間違いなくレースが動くに違いないので、何が何でも前に出なければならない。オールアウトになっては集団から遅れるので、レッドゾーンを掠めるくらいのギリギリの追い込みで、頂上ラスト800mでなんとか集団15番手くらいまで上がり、先頭が見えた。
が、しかし。無情にもジャイとトマ達が飛び出していくのを、悔しく見守るのみであった。

各主要チームのエース級のメンバーが揃った逃げにより、集団は一旦ペースダウン。
今回は距離の短さが逃げに有利に働いている。
逃げに選手を送り込めていないチームがすぐに追走をかける。追うペースは速いが、恐らくこのペースでは捕まえられないだろう。
差は最大で2分40秒くらいまで広がり、詰まることもなかった

2つ目のKOM前でちょっとだけリカルドの位置取りだけして、後は特にすべき事もなく、ごちゃごちゃしながらゴール。

トマとジャイ達の先頭は逃げ切り。
かなり追い込んだ1日になったが、勝負に絡む展開とは違うところで苦しんだ。仕様がなかったが。
調子が良いのに勿体無かった。

大集団スプリントになればやはり分が悪いので、今回は作戦通りに逃げを作って総合上位を絞る事に成功した。
明日はハードなコースレイアウト。序盤に山を越え、最後は登り基調で展開では単独独走も可能なコース。

気を付けます。

29.3.17

過去問 問2


続いて、第1ステージの赤木川清流コースについて考えてみたい。
このコースはスプリンターが遅れるような厳しさのコースではなく、脚を溜める事ができるために集団有利で、例年スプリンターチームによる激しい集団スプリントになる事が予想される。

昨年の自分の動きは序盤からのアタックに対応して、最後がスプリントになりそうなら列車を組んでスプリンターを発車するという忙しい1日であった。

出力分布を見ればレースの半分以上の時間は脚を止めている、もしくは流しているだけの状態だ。しかしレース展開を作っていくならば、走行データを見て必要な準備をしなければならない。

コースでは1周につき4回ほど立ち上がりがあり、フルスプリントを強いられる箇所がある。そして細かいアップダウンでは短いながらも高出力を維持する必要があり、位置取り、スプリントが苦手な場合はそこで脚が削られていく。
良いポジションを維持できないといつの間にか集団最後尾に、そして中切れで後ろに取り残されるという最悪の事態に巻き込まれる。レースは常に前で展開されている。
仕事ができずにレースを終えてチームの所に帰る時の心境ほど、嫌なものはない。

もしアタックに対応していくならば、何度もアタックをして更に踏み続けてローテーションを回すスピードが求められる。
そして昨年のゴール前の位置取りでは、最後の道が開けてからの一直線での激しい位置取りをすることに。
ラスト2kmの区間はAve55km/h、心拍は195bpm/mまでペースは上がった。
エースをスプリントできる位置に連れて行くには、そこに至るまでに位置取り(これはレースで身につけていく)で良い位置につけて、最後には他のチームが上がってこれないように先頭でペースを上げきる脚が必要である。

コースの鍵となるポイントを絞ると、やはり最後に向けての位置取りとスプリントが勝敗に大きく関わってくるだろう。
集団をコントロールしない限り淡々と踏み続ける箇所がなく、ローテーションで逃げたり、逃げを捕まえようとする事も考えれば、2、3分前後と30秒〜スプリントの強度を鍛えておきたい。

細かいアップダウンと立ち上がり、繰り返されるアタックに最後のスプリントとてんこ盛りなレースには、巡航性と反応性のバランスが取れたFULCRUM SPEED 40Tが最適であろう。もし最後のペースアップとスプリントに焦点を合わせるスプリンターならば、FULCRUM SPEED 55Tで決まりだ。


この日のラストで久々に心拍が195拍/分に達した。
心拍はパワーメーターに比べるとパフォーマンスを正確に表さないのでコンピューター上では常に表示させないが、体調や調子を見るために心拍計は身に着ける。

最近は年齢と共に190拍を超えることがかなり少なくなってきた。
心拍が高いということは身体が多くの酸素を必要としている状態なので、かなり追い込めてる時か、もしくは頑張ってる割にあまりギアを掛けられていない時である。
HrPwレシオ(心拍1拍あたり何w生み出せるか)や走行データのカーブを見れば、調子の仕上がり具合や疲労具合等が推察できる。
ちなみに3月現在の自分だとワークアウトの平均が1.55~1.6w/bpm、FTP付近で2.3~2.4w/bpmくらい出せていて、良い調子だと感じる。これよりも上がれば更に調子が良く感じるが、長続きはしない。

人生で200拍を超える程追い込めたのは数えるくらいであろうか。
そのくらい追い込めたのは、人生初の1回目のライドであった。

初めてのロードバイクを手にした若かりし自分は、ショップのクラブチームの練習会に参加することになる。
しかし後に気付くのだが、どうやらこのショップは他のクラブチームとは様相が違うようだ。当時はこのショップが実業団チームを作っていて、チャレンジロードを控えていた今も名の知れている現役の選手が集まってきていた。
2007年当時はまだ"ツールドフランス""ランスアームストロング"くらいしかレース界の言葉を知らなかったので、正直最初は諸先輩方に「こいつら、何者だ。フラッグシップのフレームとコンポなんか使って。」などと生意気に思っていた。

礼儀も右も左もわからない状態で初心者丸出しの自分が、何故か選手グループに混ぜて貰うことになったが、人知れず打ち負かしてやると舐めた考えでスタートする。
この日のコースは大垂水峠を越え、城山湖を登り、片倉の激坂を登るルートであった。

30分程で大垂水峠に差し掛かり登り始めるのであるが、これがキツいのなんのと。
気温計を過ぎた辺りで身体は燃える様に熱くなり、経験したことのない鼓動の速さを感じていたが、ここから更に斜度が上がって同時に心拍数も更に跳ね上がる。
先輩方は淡々とペースで走っているだけだろうが、自分はただただ、いつ終わるとも知れぬ引きずりの刑に耐えるのみであった。
極めつけは自分の後ろには店員がピッタリついていて(多分フォローとアドバイスをしてくれていたと思うのだが、極限状態により記憶が不鮮明)、その所為で何故だか分からないが絶対に遅れてはいけないという心理が働いた。

頂上が近づくにつれて視界は狭まり、身体が痺れて硬直し、空気を吸い込んでも身体からはどんどん酸素が抜けていく。顔は汗と涎にまみれて、歯を割らんばかりに食いしばる口からは、気管が狭まったことにより「ぴゅーひょろろ」と間の抜けた息が漏れてくる。
身体が非常事態を伝えてきているが、止まれない。何故なら頭の中だけはクリアで、絶対にこいつらから遅れまいと、それだけであった。
何とか頂上まで喰らいつくが、慣れないロードポジションにより下りの最初のコーナーで呆気なく千切られてしまった。
心拍計は付けていなかったが、恐らく人生で一番心拍の上がった瞬間に違いない。

その後は選手組と別れて店員とマンツーマンレッスンが始まるのだが、何故こんなキツい事をしてるのか...と考える余裕もなく、スマホなんざ無い時勢で千切られて遅れたら(恐らく待ってくれたであろうが)道もわからないし、ただただ訳の分からぬ怒りに任せて引きずりに耐えるのみであった。

そんなこんなで、年齢とともに最大心拍数は下がる傾向(確実な根拠は無い)があって、ここ数年は200拍/分を越える事がなくなってきた。
そのせいか190拍/分を越えると何故だか嬉しくなってしまうのは、何かの癖であろうか。

そういえば、もうひとつ注意したいことが。この赤木川清流コースには対面区間があり、尚且つ仕切られていない。
昨年は集団での位置を端から上がって行く際に、コーナー明けで集団から遅れた選手と出会い頭になった。あわや時速50km/hで正面衝突するところであったが、ドリフトをかましながらもお互いの手と手が1〜2センチくらいのところでぎりぎり避けれたということがあった。
常に危険に対するアンテナを張って気を付けたい。

ともあれ、あと一歩のところまでいった第1ステージ。
翌日は文字通り"山場"である第2ステージの熊野山岳ステージが待っている。

つづく。

FULCRUM
ツールド熊野

問1

21.3.17

贅沢 ver.1.2

自分がよく変人と言われる所以のひとつに、無類の雨練好きだという事が上げられるであろうか。

元々雨が好きで、雨の匂いや音、普段と違う雰囲気に堪らなく興奮するのである。
屋根に雨が当たる音で目覚めて、靄がかった山々が広がる日には、もうテンションは朝からMAXである。表情には一寸も表さないけれども。
雨天時の湿度と薄暗さが、この陰湿で鬱蒼とした性格とマッチするのであろう。

facebookでも雨練について度々書いているが、すぐ頭も身体も熱くなってしまう自分にとっては、常に冷却されていく雨練の方が踏めて集中できる気がするし、そもそもあまり寒いと感じた事はない。
目に入る景色の表情が違って見えたり、いつもより周りが静かに感じられ、なにより精神的満足感が満たされるのである。

基本的に
・路面の積雪、凍結や落雷の可能性がある
・疲労がかなり蓄積している
・レースが数日後に控えている
のどれかに当てはまらない限り、雪でも雨でも外に走りにいく。いや、走りに行きたい。

もちろん、普段の練習とは違った雨練の準備をしなければならない。

まずはジャージを着る前には、入念なウォーミングアップ、補助運動をすること。
少し汗をかくくらいに、普段より身体を温めてから着替えたい。

次に股ずれ防止のクリームを塗ること。
濡れた状態でサドルに座りペダルを回すと、すぐに股ずれの発生を招く。
また同様に、暑いレースにおいて水を被る行為も股ずれを引き起こすことになりやすいので、注意が必要だ。先のツールドフィリピンでも水を被りすぎて、最終ステージには股ずれに悩まされた。

特に服装は、とりわけこの季節は気をつけなければならない。
防水、防寒を意識したキットを選択していく。少しでも寒いと感じる装備は、装備不足である。


もちろん、ジャージキットはChampion System
この日のジャージは上から、
テックキャップ
 いわずもがな、自転車乗りにとって雨天時の必需品であるヘルメットキャップ。
APEXウェザーガードジャージ
 もはやこのジャージ無くして、レースシーズンを迎えられないであろう。
 CSウェザーガードという新素材が使われているらしく、これが最高なのだ。暑くなりすぎず、それでいて蒸れないという、まさに夢のようなジャージだ。これは本当にすごい。正直な話、これさえあればどうにでもなる。長袖もあり。
フリースジャケット
 スタンダードなジャケットであるが、極めて伸縮性が良くて肌触りがよいジャージ。
 しっかり身体にフィットするので、とても気に入っているジャージだ。
フリースビブタイツ
 このタイツも非常に伸縮性が高く、なおかつ耐久性も優れている様だ。
 すでに4ヶ月ほど履いているが、全くヘタレる気配がない。
ネオプレーンシューズカバー
 CSネオプレーンファブリックという少し硬めの生地によりしっかりとした作りになっていて、保温性、防風性が素晴らしい。足首裏のジッパーによってシューズの脱着がしやすく、履き口の滑り止めバンドによってズレも防止してくれる。
リペルジャケット
 前述したAPEXウェザーガードジャージでも十分暖かいのであるが、万が一に備えてさらに防水性が高いこのリペルジャケットを携行。
 写真には完全に写りきってないが、きれいに折りたためばジャージポケットに余裕をもって入れられる。なぜ着ていないかは後述する。

どんなに短いライドになりそうでも、補給食を携行しよう。

そしてもうひとつ、出発する前に準備をしなければならないのが練習後の入浴準備である。


帰ってきたらそのままバスルームに直行できるように、あらかじめ準備をしておこう。
着替えとタオルはもちろん、プロテインもすぐに飲める状態にしておく。

あと、臀部を冷やさないようにリアフェンダーの装着は必須だ。
ジャージキットを汚れや耐久性の低下から守るためにも、是非つけていただきたい。

さぁ、準備ができたら出発するのであるが、雨練をする際には3つのリスクと戦わなけらばならない。
1、風邪やケガ
2、パンクとメカトラ
3、落車
これらのリスクを少しでも減らす為にすべきことは

・あらかじめルートと練習内容を決めておく
 これは目的意識をはっきりと持ち、迷いながら走ることを避けるためである。ルートは、通り慣れた、信号が(少)ない、路面がきれいで、なるべくすぐ帰れるルートを選ぶ。家から30分圏内を辿るルートなど。練習内容も気まぐれに走るのではなく、時間と強度を決めておき、必要なことをしたらすぐに帰ること。またあまり調子がすぐれない、少し寒く感じる、節々が痛むなどの場合はすぐに切り上げること。
・慎重に攻める走りをする
 普段よりも数倍気を付けて走ること。路面は自分で思っている以上に滑りやすくなっており、直線でも場合によっては落車のリスクは存在する。コーナーへのアプローチは、何があっても転ばない、という余裕を持った速度とライン取りを。
 また水溜りや川になっているような所には突っ込まないこと。水が集まっているということは、流れてきた砂や小石もそこに集まってきている。また水面の光の反射により底がどのような状態になっているか判別できない事が多々あるので、まさしくリスクが具現化している状態として認識すべきだ。

 写真のような川や水溜り、マンホールやグレーチングを、車の通行に留意しながら避けるライン取りをすること。パンクして修理をしている間に身体が冷えてきたら最悪である。雨天ライドにおいて一番避けるべき事が体温の低下だ。体温が1度下がると体内免疫が何倍下がり、1度上がれば何倍上がる、というのを耳にしたことがあるだろう。
 体温の低下を防ぐには、常に踏み続けることだ。雨練において脚を止めることは、自分に対しての罪悪である。
・補給食
 体温を保つ為のエネルギーはかなり大きく、早め早めに補給しなければならない。
 1時間あたり、100~200kcal(レースと同じくらい)を目安に補給しながら、エネルギー切れを避ける。低血糖によりびしょ濡れの状態でコンビニに入ろうなんざ、言語道断である。もしハンガーノックになりそうなら、この日本には自動販売機という素晴らしい機械が至る所に見受けられるのでそちらを利用しよう。お勧めは身体を温める効果のあるホットの紅茶。もし周りに自動販売機がなく、コンビニがその一件しかないどうしようもない場合には、店内に入る前に水気を払い、店員の方に一言詫びを入れ、入り口のマットで足踏みをしてシューズから水が出てこないようにし、申し訳ない顔をしてすり足気味(水が出ないようにと、転ばないように)で店内に入るべきだ。これは今後のサイクリスト全般が社会の市民権を得るためにも、振舞うべきマナーのひとつではないかと考える。自分はしたこと無いが(そういう状況になった事が無いという意味で)。
・自撮り写真を撮らない(選手向け)
 たまにfacebookなどのSNSで見受ける現象のひとつに、雨練や降雪の中で頑張ったことを伝える写真が上がってくる事(小生も数回ある)がある。雨の中でしか見られない景色や、頑張った事をアピールする事は特段悪い事だとは思わない。しかし”選手”において、わざわざ止まって雨練風景の写真を撮る行為をしている余裕があるならば、平均速度3km/hを上げる、平均出力を5w上げる等に努めて、体温を0.1度でも上げる事に注力すべきだ。なお、先の川の写真は特例として認めてもらいたい。
・1人(なるべく少人数)で走る
 これも体温維持に関する事だが、人の後ろにつくことはすなわち、強度が下がっている状態だ。また、跳ね上がった水や泥を受ける続けるのは身体的、機材的な衛生面によろしくない。
 雨練においては自分のペースを下げないように走り続けることが重要だ。トレーニングメイトとペースを合わせることは非常に大切なことなので、2人以上での雨練においてはなるべく脚の揃ったメンバーと出て行こう。

そして、帰宅したらバスルームに直行する。
と、その前に30秒だけ。


帰宅後には”必ず”そして”すぐに”駆動系の清掃をすること。チェーンとスプロケットは、たった10分放置しておくだけですぐに錆が発生する。
まずパーツクリーナーで汚れと水気を吹き飛ばし、ラスペネを軽く吹き付けておく。
これだけしておくだけで、自転車へのダメージは桁違いに軽減できる。後にゆっくりと洗車をすれば完璧だ

ざっと以上の事に留意してきて今までこの方、雨練をして風邪を引いたことは一度もない。それは対策が十分できているからなのか、平熱が37度な暑がりだからなのか、風邪を引いても気付いてないだけなのかわからないが。
書き忘れるところであったがレインジャケットを着込まないのは、人より5倍(夏は10倍)の汗をかく自分がジャケットを着て1時間も走れば、汗がレーパン・タイツ、グローブに流れ込み、ジャケット無しの方が濡れないという現象に陥るからである。という、あくまで個人的な都合のせいである。
なので雨天時には最初からレインジャケットを着ることをお勧めする。
雨練のリスクは晴天時よりも高くなるわけで、そもそも雨練自体あまりお勧めはしない。

雨練に出るのでそのせいか、「モチベの塊」「もはや先生」「お父さん、パパ(特定少数による悪意を含む)」などと呼ばれてきた。
しかし、マイナス思考がベースの小生は基本的に練習はあまり好きではないし、1日中ゴロゴロして趣味等好きなことだけしたいし、なんとか楽に強くなれないか(ドーピングはしません)なんて考えたりして、人の模範になるような心構えなんか持ち合わせてはいないのだ。

また嫌々する練習ほど効果がなく、精神的悪影響を及ぼす練習はない。
大多数の選手が雨練を避けて大きなリスクと考えるのは自然なことで、あくまで雨練を嬉々として行う自分がマイノリティな変人であることを認識して頂きたい。

では、自分はなぜ練習を頑張っているのだろうか。
こんな言葉をご存知であろうか。

”やる気とは、贅沢品である”(受け売り)

やる気というのは非常に便利なもので、やる気があればなんでも積極的に取り組めて、楽しく感じられるだろう。またモチベーションが高い状態で挑むレース、練習は非常に良いパフォーマンスが出せるのは、経験されているはず。

だが、やる気というのはどうやら有限で、1年の内にやる気が溢れているのはごく僅かな時間であろう。そして、出そうと思って出せるものでもない。
やる気に溢れている状態が忘れられずに、次の練習に取り組むモチベーションが上がらない経験は自分もよくある。日々の練習でやる気が出ない、と皆が困る訳である。


気負わずに考えたいのは、そもそもやる気は必要ではないこと。
重要なのは”やる気”があるかどうかではなく、自分の本気で目指す事とシーズンの目標に向けて必要な練習を具体的に自分で把握(それが必要十分かどうかは別として)できているかの方が重要で、それを常に頭の片隅に置けていれば自ずと、「雨だけどローラーではできないから行くか」となるのである。
疲れてても、ジャージに着替えて走り出したら普通に練習ができた経験はないだろうか。

先日も面倒臭い確定申告を先延ばしにしてきて、さぼってきたツケが回ってきた。
書類整理を始めたのは14日の夕方。15日の24時までには終わらせないとやばい、という目標を頭の中でしっかりと認知した途端に、翌朝5時に完了するまで一時も休まずに集中できた。良い例ではないが。

「やる気を出せ」と言われて出せた試しはないし、人や後輩に対して言ったこともない。
うまくやる気を出させてくれるようなすごい人には何人か会ってきたが。
しかしやる気に左右されず、モチベーションと目標を無限に常に高く保つ人もいるのも事実。
ただあまり気分の上下に気を捉われず、人と比べすぎるのも良くないかと考える。

また言いたいことがよくわからなくなってきたが、何事も楽しく本気で取り組もうではないか?、といったところか。違うか。

下世話な話、今回の記事に出てきた装備だけでも個人で全て揃えたら、かなりの金額に達する事に気づいた。
万全のサポートと、全ての時間を競技に専念できるこの環境に身を置かせていただいている自分は、かなりの幸せ者に違いない。

贅沢モンだ。

走りながらいろいろ書きたい事が思い立ったのだが、忘れてしまったので思い出したら随時書き足す事にしたい。
ぜひ、雨練対策の参考としてブックマークに追加していただき、時折覗きにきて頂きたい。

Champion System

27/3 ver.1.1 細かい加筆修正
22/4 ver.1.2 細かい加筆修正

19.3.17

JBCF 宇都宮ロード

JBCF 宇都宮ロード 76.8km 6.4km×12周

コースはジャパンカップの周回を使う周回で、鶴カントリーの頂上ゴール。
斜度のある短い登りが2回含まれていて、アップダウンが続くコース。どの位置いても脚を使うコースだ。

ミーティングでは野中さんの勝負にかける動きをしていくことに。
自分は本命の選手が動く一つ前の展開に乗っていき、最後は野中さんのアシスト、場合によっては自分も勝負を狙う動きに。その為にも、序盤から有力選手が動いていく場合にはチェックを入れていく。

パレードを経てスタートが切られる。
脚を溜めつつ、有力選手の動きに気をつけていく。調子は良くて登りにも余裕を感じる。
アタックは散発するが、どうもペースが上がりきらない。
チームメイトのチェックのお陰で、余裕を持って集団の観察ができる。

中盤に差し掛かり、全く決まらない。
どうやら昨日の展開と同じく、マトリックスとブリッツェンがスプリントに持ち込みたい感じだ。特にマトリックスが積極的にまとめようとしている。
恐らくこれは最後のスプリントまでもつれ込むだろう事が推察されるし、序盤から積極的に仕掛けていたシマノも最後に備えているようだ。

ラスト3周、この膠着した状況を打開すべくアタックを仕掛ける。
協調してくれる選手と行きたかったが単独アタックになり、集団を振り返れば完全に泳がされているよう。
案の定登り手前で捕まり、回復する間も無く勝負脚を使いながら集団に食らいつくハメに。

ラスト1周に入る登りでは何もできずに千切れ、野中さんのサポートもできずレース終了。

セカンドエース的な役割を与えてもらったが、前半からのチームの動きをあまり活かせない動きにしてしまった。
アタックをした時もあくまで展開に乗っていく事に徹して、他力本願的アタックにならないようにすべきであっただろう。自ら展開を作っていくには少々無理があった。
状況を落ち着いて見て、スプリントに向けての動きにスイッチできなかったのは早とちりであった。

次はツールド栃木。

18.3.17

JBCF 宇都宮クリテリウム

JBCF 宇都宮クリテリウム 60km 3km×20周

コース自体の難易度は高く無いが、スピードが上がれば位置を上げられなくなるコース。
事実上の走行ラインが限られるのと、直線距離に対して人数が比較的多いので位置取りがかなり重要である。

前日のミーティングでは雨乞のスプリントを発車することを確認、順番と仕掛けるタイミングを話し合う。
展開次第では野中さんを逃げグループに乗せていくし、自分も危険な抜け出しにはチェックを入れていく。

当日は午前の謎の"予選"を危なげなく通過して、午後の本戦に。
クリテリウムなど3年振りくらいに走るので、ちゃんと動いて仕事が出来るだろうかとなんだかとても緊張している。

スタートからかなりスピードが上がり、アタックもかかるが、集団のスピードも上がりきっているのでなかなか差は開いていかない。
いつも思うことがあって、実業団レースの最初の30分はヨーロッパレースに引けを取らないくらい速く感じるのは、自分だけの何か錯覚であろうか。とにかく速いスピードで進むので、焦らずに集団内の動きと思惑を観察する。

ドンパチが延々続き、終盤に差し掛かっても安定しない集団。
どうやらどのチームも逃げにはメンバーを送り込むのだが、積極的には展開をしていかないらしい。いいメンバーが行っても脚が止まって、いつの間にか集団に戻ってくる。

どのチームもスプリントに持ち込みたいようだ。

ラストの周回に入り、番手でキナン5人の列車を組むことができる。
最初のコーナーを先頭で全力で突っ込み、スピードを上げる。
ここまでは話し合った作戦通りに嵌ったが、やはりそうは問屋が卸さないと、後ろでは各人が入り乱れる様相であったらしい。
そして、自分は引き切る予定の地点まで引き倒せず先頭から捌ける。

最後は雨乞が上手く立ち回り、野中さんが上手くフォローを入れたようで、雨乞が2位。

チームの動きはとても良いように感じられた。
自分の役目であった最後のペースアップは、風向きと距離を見誤って、最後まで職務を全うできずに終わってしまった。

明日はアップダウン。

14.3.17

過去問 問1

人生で一番勉強していたのは、恐らく高校受験から高2の1学期くらいまでの間だろう。

希望校はちょっと頑張らないと入れない感じ、な公立の進学校を選んだ。
受かる為に、朝日が昇る前から寝る直前まで勉強していた。
当時はそこそこの大学に入って就職して...といった感じになるんだろうなぁ、と漠然と考えていた。
まさか高卒に、ましてやスポーツ選手になるなんて考えつきもしなかった。

しかし特にこれといってやりたい事や目標があった訳では無いのに、なぜわざわざ厳しい受験戦争に身を投じたかというと、全ては自転車の為であった。

小さい頃から自転車と共に遠出を繰り返していて(先の記事でも軽く触れたが)、中3のある夏の日に、高尾山へ1人遠出した時の事である。
当時もロードバイクという存在は認知していたが、特段興味があった訳ではなかった。むしろMTBに興味があり、その日も高尾山近辺の山道を自転車で駆け回っていた。
うだる暑さの下、そろそろ帰ろうかと20号の中央本線高架の日陰で休んでいると、ふと目の前から車列に混ざって走るローディーに気が付いた。

この狭い車道を自転車が走っていては車の迷惑ではなかろうかと、ぼんやりと眺めていて...む、車と並走しているではないか!
否、むしろ車を煽っている...!!

人生で数少ない、体に電撃が走る瞬間であった。人力だけであんなにも速く走れるものかと。それだけ衝撃であった。
いま思い返せば車のスリップストリームに入っていたのであろうが、兎にも角にもその日を境にロードバイクへとのめり込み、書籍やらネット情報やらを漁りまくった。

同時に「青の炎」という小説(読みやすくて面白かった)をたまたま読んでいて、その中でロードバイクがいかに軽くて速いかといった記述や気持ち良さそうにロードバイクに乗る情景が描かれており、それも手伝ってロードバイクに乗る妄想や期待がどんどん膨らみ、我慢できずにロードバイクが欲しい旨を親に相談をした。
高額であるが故に最初はもちろん却下されていたが、交渉の末、先の公立進学校に受かる事ができれば、私学への準備金との差額で入学祝いとして買っても良い、という権利?を獲得することに成功する。
更にその高校のすぐ裏には運命のいたずらか、プロショップ(後に足を向けて寝られないほどお世話になる)があって、もう毎日ショップに通えるじゃないかと、何が何でもそこへ入学する決意を固めたのであった。

そして合格発表で合格を確認し、真っ先に向かったのは親へ報告する為の公衆電話ではなく、すぐ裏のショップであった。もはや合格した事よりも、ロードバイクに乗れるという事の方が嬉しかったのである。
ショップの店員にはすでに、合格した暁には云々...の話をしていて、すぐにでも話をしに行きたいと思ったのであったが、昼からの営業のために引き返した次第であった。
そんなこんなでロードバイクを手に入れるのだが、あくまで”車と並走をしたい”というよくわからない目標を持っていて、レースに参戦するなぞ少しも考えてはいなかった。

当時の受験勉強は基本的にひたすら過去問を解いていき、英単語や暗記事項などプラスで必要と思われることを更に掘り下げて勉強するといった感じであったか。

過去の傾向から問題の予測をして、対策を考えることは非常に重要だ。
もちろん過去に起きたこと以外の問題が起きることも当然あるわけで、備えが偏らないようにいろいろな見方や対応力を準備していかなければならない。
受験の際も共通問題はもちろん、様々な学校の過去問を解いていた。

これはロードレースにも言えることで、目標としているレースのコースプロフィール等があればどの様な傾向で準備が必要であるか、ある程度の対策を立てることができる。そして、本番までにいろいろなレースや練習をこなしていき、脚を仕上げていくのだ。


我々の目標としているツールド熊野はほぼ、毎年同じコースで似たような展開になることが多いので対策を考えやすい。
先日のサイクルハウスミヤタでのセミナーと内容が被るが、どの様にレースまでアプローチをしていくべきか、少し考えてみたい。

ツールド熊野は0.7kmのプロローグで始まる。
3日間のショートステージが続くこの熊野においては、このプロローグでの差が結構響いてくるので、コンマ数秒でも稼いでおきたいところ。
だいたい過去のステージ優勝者のタイムは50~51秒で推移していて、総合上位陣となる選手達は53~55秒の間に順位をつけていることが多い。

その為にはもちろん、1分をもがききる脚を作っていかなければならない事がわかるのだが、パワーデータを見れば必要な強度や踏み方が見えてくる。


昨年のデータを見ると最大出力は1084w、平均出力は520wで、優勝タイムから5秒ビハインドの56秒で59位であった。
出力分布を簡単に書き出すとこの様な具合になり、強化すべき出力が自ずと判明してくる。


また、時間軸でみればどの様な踏み方をすればよいかの対策ができる。
コースは行って帰って来る往復のコースで、1箇所は完全に脚を止める鋭角コーナーがある。
つまり、単純に1分のもがききる能力よりも20秒のスプリントを2回連続で加速していく対策をしなければならない事がわかるだろう。
そして何よりここの鋭角コーナーであるが、このコーナー1つの突っ込みでかなりの差がつくので、コーナーの練習も必要だ。

そんなコースに欠かせないのが、高剛性なホイールだ。
ロードレースはコースプロフィールの特性によってホイールを履き替える、かなり面白い競技である。


プロローグに関してはスプリントの高出力を受け止めて、キレのある加速反応とスピードを維持する為に、スポークが短くて慣性がつく、FULCRUM  SPEED 55Tが最適であろう。



つづく

FULCRUM
ツールド熊野

11.3.17

AACA 第3戦

AACA 第3戦 長良川特設コース 102km 5.1km×20周回

ツールドフィリピンから少し期間が空き、月末の連戦に向けて調子を整える中でのAACAカップ。
レースは最高の練習である(トレーニングレースのつもりである意識などは毛頭無いが)と昔から言われているように、SSTなんざぬるま湯に浸かって鈍った脚へ喝を入れる、最高の機会であった。

前回の出場に比べて、非常に風が強くなっている。
そして出場人数はかなり少なくなっているが、主要選手は出ているようなので注意が必要だ。

レース前ミーティングでは、前半から自分と阿曽を軸に積極的に展開していき、2〜3人の逃げを作り、先手を打ちながらハードな展開を作る。終盤は調子の良さそうな中西の独走、もしくは雨乞のスプリントでの優勝を目指す。
自分は特に宇都宮連戦、ひいてはツールド栃木を見越して積極的にチームに有利でキツい展開を作っていくつもり。


スタートが切られ、アタックの応酬が始まる。
アタックの末、インタープロ、イナーメ、EQADS、自分の4人の逃げに。

特に後手を踏ませてチームの脚を使わせたいと思っていた、インタープロとイナーメの選手と一緒になったが、まずは逃げ切りも見越して余裕を持ったペースを刻んでいく。
3選手ともに思惑が一致していたのか、ペースを保ったままローテーションを回して距離を消化していく。
しかし、あくまで後ろがキツい展開にしたいので、更に抜け出す機会を常に窺う。

10周目、ローテーションがあまり回らなくなってきて、どうやら皆キツそうだ。
試しにジャブを打ってみるが、さすがに抜け出すまでには至らない。

10周目の周回賞の掛け合いになり、EQADSの選手が1人抜け出した形に。
インタープロ、イナーメの選手はあまり動きたくなさそう。
これは最も理想の形に持ち込めると判断して、アタック。EQADSの選手だけを連れていく形で抜け出す。

しかし彼はジュニア選手でジュニアギア(重いギアが無いのでトップスピードが出ない)を使っている為、追い風のバックストレートで千切れてしまう。
最初は待っていてなんとか2人で行きたかったが、1人の方がペースを保てると判断。そのまま単独になる。

とりあえず後ろにはチームメイトがいっぱい控えているはずなので、安心してTT開始。
悪魔の囁きに耐えながらチームメイトを信じ、自分の身体と対話しながら無理しないペースで進んでいく。


ラスト4周、集団の足音が聞こえ始めてきてギアを1枚上げたいところ。しかし風が強い横風に変わり、踏んでもスピードが上げられない。
抵抗虚しく、ラスト2周の周回賞を目前にして集団に吸収。

あとにできる事は限られるが、何があるかわからないので脚の回復に努める。
最後はスプリントしてみると意外とギアがかかったから、ゴール勝負にトライすれば良かったかもしれぬ。
最後は雨乞(アマタツ、アメちゃん、あまたちゅ兄さん...etc)が、きっちり仕事をこなし優勝。野中さん、中西が続いた。

展開の流れによる細かい修正点はあったようだが、理想の作戦通りに嵌ったレースではなかっただろうか。


また、午前中に開かれた中島通接骨院の若山敦資先生によるレーススキルアップ講座では、ストレッチングをご教授頂いた。


とても勉強になるすぐにでも取り入れたい、素晴らしい講義内容であった。


そして忘れてならないのは、6年前の今日の震災。
母の実家も被災したが、親戚一同は無事であった。

多くの犠牲者の方々へ、哀悼の表したいと思います。
そして、1日も早い復興をお祈り申し上げます。

7.3.17

一心同体

自転車愛好家諸賢、自転車を綺麗に整備されておられるだろうか?

すれ違うサイクリストでたまにお見受けするのが、手垢が擦り込まれたバーテープ、磨り減ったブレーキシューとブレーキ滓が涎跡のように見えるホイール、パキパキにヒビ割れたタイヤ、撥ねた泥やミミズが乾いて一体化されたフレーム...等々の自転車で、見るたびになんだか残念な気持ちになってしまう。
100km/hで走る車は線傷1つで大騒ぎなのに、こと自転車はぞんざいに扱われる事が多いようだ。
乗り込むことは良いのだが、◯◯万円もする下手したら車よりも高価で自分の命を預ける乗り物なのだから、もう少し綺麗に大切に扱って頂きたい。

どろどろに汚れたままにしていては、変速の調子が悪くなったり、どこからともなく異音がしたりと、何かしらの異常や問題は起こるべくして起こる場合がほとんどである。手をかければ期待に応えてくれるし、手を抜いていたらそれに泣かされるのは道理であり、全ては自分に返ってくる。
最近の自転車パーツは基本的に、きちんと整備・点検されていれば調子が悪くなったり壊れたりすることはない。

そして一番勿体無いのが、油と混ざり黒く変色した泥砂が浮き出て、踏む度にきちきちと悲鳴を上げているチェーンである。
もう想像しただけで、具合が悪くなってしまう。

チェーンを見ればその自転車の整備状況や汚れの溜まり具合が分かるが、チェーンが鳴きだしているのは言わば、すでに整備不良である。
自転車の要である駆動系は常に、クリーン、ウェット(oiled)、メインテインドでなければならない。
チェーンに限らず駆動系の汚れによるパワーロスというのは馬鹿にできず、一概に何ワットのロスと言い切れないが、明らかに洗車前後でギアが1枚2枚変わってくる。最近流行り出した特殊なオイルやパウダーコーティングなども、明確な差が認められるためにプロの現場でも使われ始めてきている。
またパワー伝達効率だけでなく、変速性能や耐久性にも大きな悪影響を与えるので、定期的に洗車するよう心掛けたい。

ただ毎日洗車するという訳にもいかないのが、正直なところ。
洗車をする目安としては、チェーンを捻るとシャリシャリしたり、コマの中のローラー部が周りづらい等の症状が出てきた時。
その時にはすでチェーンのオイルが抜けている状態だ。チェーンにオイルが必要なのは、ギアとの摩擦を軽減させる為ではなく、チェーン同士の摩擦を低減させる為。その為には、"ローラー部の中"にオイルが充填されている状態にしておく必要がある。


普段洗車時に使う道具とWAKO'Sケミカル類


各部位に汚れが溜まってきているのがわかる。


チェーンを捻れば「シャリシャリ」と気持ち悪い音と感触が伝わって来る。
ローラー部分を指で回すと、動きの悪さが如実にわかる。


中性洗剤を泡立てていく。重要なのは”泡”。


チェーン周りに手をつける前に、プーリーにこびり付いた塊を取っておく。
先にプーリーの汚れを落としておくことで、チェーンに汚れ移りしなくなる。
ディグリーザーには自転車の洗車に欠かせない、フィルタークリーナーを使用。
使用するブラシは、毛にある程度の硬さがあるものを。

フィルタークリーナーで各部位の汚れをしっかり落としていく。

チェーンはブラシで汚れを磨き落としていくというよりも、フィルタークリーナーをチェーン内部にしっかり浸透させるようにしていく。
スプロケットは裏側も丁寧に。


全体によくフィルタークリーナーを馴染ませたら、洗剤の泡を固めのスポンジで使って洗い流していく。
ポイントは片側から抑えながらチェーンを回すこと。
両側から抑えてしまうと、ローラー部が回らず、うまく洗浄できない。


駆動系を洗ったら、サドルから洗っていく。自転車の上部から下部に進んでいくように洗う。
冒頭でも述べたが、バーテープも洗うこと。
放っておくとバーテープに汗が染み込み、アルミバーの場合には汗に反応、腐食していき、盛り塩がされていく。


水で洗剤を自転車から洗い流したら、もう一度チェーンの洗浄に入る。
今度は水だけで、先程と同じように片側から抑えながらチェーンを回していく。
水気を拭き上げると...


写真だと分かりづらいが、ウエスには水だけがきれいに拭き取られている。
これでチェーン内部は綺麗に洗浄されたことがわかる。


次の工程に入ろう。
続いて使用するのは、ラスペネ。これは潤滑剤なのであるが、ただの潤滑剤ではない。
潤滑剤としての性能はもちろんだが、さらに水置換性の性質を持っていて、金属に付着している水分を弾き出してくれる。
この工程が非常に重要で、チェーンや可動部に水分が残っている状態で注油をしても、しっかりとオイルが乗らない症状に悩まされてしまう。
チェーンを洗ってオイルをたっぷり注したが、何だかオイル切れしているような抵抗や音を感じる、といった経験はお持ちではないだろうか。
それは水分がまだ残っている状態で注油したり、まだ汚れを落としきれていなかった為に、オイルがしっかり馴染んでいないという事が多い。



フィルタークリーナーで洗浄した各コンポーネントの可動部にラスペネを注油していく。
ブレーキは可動部だけに注油を。くれぐれもブレーキシューにかからないように。


もちろん、チェーンにも。
ラスペネをしっかり吹き付け、馴染ませてから、余計なオイルを拭き取る。


いよいよ、最終段階。最後の注油だ。
ラスペネによって水が除去されオイルが浸透しやすくなっている状態で、チェーンにはメインのチェーンオイルを注していく。

チェーンルブには”Speed”と”Power”があり、各々粘度が違う。
個人的な感覚としては、Speedはダイレクトな踏み心地と軽さが特徴で、Powerはチェーンが力をグッと受け止めてギアとガッチリと噛み合っていくようになる。
好みやに状況よって使い分けたり、はたまた2つを混ぜて使うという技まで存在する。
普段は純粋なSpeedのダイレクトな踏み心地感が好きで、こちらをチョイスする。

今まではいわゆる”ウェット系”や”パワー系”の粘度の高いオイルのカッチリ感が好みであったのだが、このWAKO'Sのチェーンルブを使用するようになってからは、この粘度の低めのオイルであるSpeedが好みになった。
他社との明確な差を感じて頂きたい。


さて、基準となるチェーンの繋ぎ目をスタート地点にして1コマずつ注していく。
ここでのポイントは、ローラー部の片側にオイルを注して、ローラー内部にオイルが回りやすくすること。1周したら反対側も。


注油し終わったら、余分なオイルを拭き取る。その際にも、ウエスを片側から押し当てることを忘れずに。
コマを回してみると、ずっとクルクルしていたくなるような気持ちのよい回り方をするはずだ。
手にもほとんど汚れがつかない。
これで一晩おけば内部までしっかりとオイルが浸透し、余計な油が揮発してベストな状態へ。

この洗車方法と注油方法だと、本当にオイル切れが起きない。
雨練や先のフィリピンでのスコールでも、油切れしてチェーンが鳴くことがなかった。


仕上げに、皆んな大好きバリアスコートで磨き上げる。


ビカビカになった自転車。


あゝ、その光り輝く機能美といったら...色気すら感じるではないか。
そのチェーンの艶やかさとしなやかさたるや、思わず手で触れたくなる衝動に駆られる程だ。
走り出せば、なんと心地の良い踏み出しと力が伝わっていく感覚であろうか。


フィルタークリーナーが余った場合は新聞紙等に吸わせて、各自治体の定める処分方法で処理したい。

また洗車の途中で気付いた気になる点は、早めに対処しておくこと。
自分で責任を持って間違いなく処理できるならば良いが、少しでも不安を覚えるならばショップへ持ち込み、きちんと整備して頂きたい。

今回はあくまで、洗車の1つの例として簡単に紹介させて頂いた。
もし身近に洗車も教えてくれるようなショップがあったら、そこで教えてもらうのも良いだろう。
そのようなショップが無ければ、洗車に関しての書籍などもあるので参考にしてみてはいかがだろうか。


また今週末3/11のキナンAACAカップにて、WAKO'Sニュートラルサービスを出展していただくようなので、ぜひ会場へお越しいただき、プロのメンテナンスを受けてみてはいかがだろうか。
ここでは書き記せてないノウハウや、まだまだ私達の知らない情報を聞かせてもらう事ができるかもしれない。
プロの技は見ているだけで、学べることがたくさんある。


昨年末にも和光ケミカル様より、洗車のレクチャーをしていただいた。
実施しながら洗車に関するロジックをご教授頂き、普段の洗車が一変した。

ぜひ今週末は長良川サービスセンターへKINAN AACA CUP(枠があれば会場にて当日エントリーも可)に参加、そしてWAKO'Sブースにてレクチャー等を受けて、ライド後の洗車に挑戦されてはいかがであろうか。

青き踏む
眩くなるたび
ヨネックス
春泥浴びて
いざ始まらん

株式会社和光ケミカル
WAKO'S