11.8.17

宿敵

今日は山の日らしい。

百姓の家柄なせいか、海よりも山派な自分は、今日も山奥で追い込んでいた一日であった。

選手を始めてからというもの、年々祝日やら曜日感覚やら文化的意識が低下してる気がして、どうにもいかん。
一方、季節や気候の変化などは敏感に感じるようになってきた。

四季の中で一番好きな季節はと聞かれると、やはり夏であろうか。
いや、これから迎えるであろう秋の、あの哀愁漂う雰囲気の中でセンチメンタルになるのも好きである。
かと思えば、冬のツンと張り詰めた空気の中でシーズンに向けて黙々と乗り込むのも捨てがたい。
各地でシーズンが始まって、胸の鼓動(こないだ久々に190bpm越え)が高まり、新緑の山々を駆け抜ける春も好き。椿だし。
そうとくればスイカの食える夏が近づきテンションが上がって...

自転車競技のシーズンは実に長い。
ロードに関しては、キナンサイクリングチームも2月に本格的なシーズンインとなり、11月までレースがある予定だ。
そんでもってオフシーズンになれば、MTBやシクロクロスを繰り出す始末である。

一年中サドルの上でペダルを回してばっかりで、自分でもよくもまぁ嫌にならないもんだと不思議になるが、好きなもんは致し方ない。

さて、自転車スポーツは負担の少ないスポーツとされているが、競技として1年ブッ通しで走っていれば、何かしらのケガや不調には必ず悩まされる。
各選手様々な悩みがあるかと思うが、共通して悩まされた事が1回はあるのが”股ずれ”だろう。

先にもA.Hansen選手が股ずれにより、ブエルタの出場が危ぶまれたニュースが記憶に新しいところ。
過去にも有力選手の股ずれによるレース出場キャンセルや、リタイヤなどのニュースが度々報じられてきている。
経験した事がある人ならばお分かりいただけるであろうが、もうサドルになんか座っていられなくなるのである。

今一度確認しておくと、”股ずれ”はサドルに座った際に、パッドに触れる部分の擦れによって炎症・出来物ができてしまう症状。
”股ずれ”と侮るなかれ、ひどくなると手術が必要になる場合もある。

自分も油断しているとたまになってしまったりして、なかなか厄介である。
そんな股ずれであるが、ある程度発生しやすいタイミング・状況がある。
パッドとの摩擦が増える事によって股ずれが発生するのであるが、その原因はひとつではないと考えている。

①湿度の変化
自分が考え得る原因の中で、一番発生する事が多い。
・湿度が上がる場合
パッドに水分が含まれると摩擦が大きくなって、股ずれになりやすくなる。
高温多湿で汗をかいたり、雨天時、水を被る、などでパッドが水分を含みやすい。
・乾燥している場合
特に冬季に起きやすく、寒さや乾燥によってあかぎれのようになってしまう場合。

②裏腿のハリ
疲れたり体幹が抜けたりして、下肢の力(特にハムストリング)に依存したペダリングになった時に起きやすい。
踏み込みの時にハムストリングが優位に働くとエキセントリック収縮になり、坐骨が引っ張られて圧力が上がり、摩擦が増えてしまうからだと考えている。
入念なストレッチやマッサージを施すと、改善することが多い。

③サドル
意外と多い落とし穴なのが、サドルのへたり。
少しづつ変化していくので、なかなか気付きにくい。へたった状態が好みの人もいるけども。
どんなサドルもいつかは必ずへたってくる。あまり変化していない様に感じていても、新品と座り比べると明らかに感触が違う。
サドルのクッション部分はもちろん、ベースとレールのしなりの減少による振動吸収性の低下も原因のひとつとなり得る。
また、サドルにどっかりと座る様なポジション(サドルが高すぎ低すぎたり、上体が立ちすぎたり等)だと、体重がサドルに集中してしまうので改善をお勧めする。
身体に合っていないサドルの場合は、言うまでもない。

④疲労
例えば1日4時間走って、平均ケイデンスが90rpmだったとする。すると実に、21,600回も脚を回していることになる。2万回である。衣類であろうとも、2万回も擦れていれば何も起きない訳がない。
疲労が溜まっていると、傷の修復や雑菌に対する抵抗力が落ちて炎症・出来物が発生しやすくなる。

股ずれが発生してしまった場合は、自転車に乗るのを控えるのが最善。患部を清潔に保ちケアをしっかりして、ちゃんと治癒してからライドを再開すること。特に出来物ができた場合は再発しやすいので、結果的に見ると乗らずに完治させた方が早く治る。
選手の場合はそれでも基本的には乗り続けるのが辛いところ。

いずれの場合も、股ずれになる前の予防が大事である。
有効な手立て、というか唯一の予防策はシャモアクリームを塗る事である。
何度も言うが、雨の日や湿度が高くて汗を大量かきそうな時、長いステージレースや合宿で乗り込む時には、念入りに予防する。

最初はワセリンを塗っていた。
ワセリンは摩擦を減らすが抗菌防菌作用がないので、雑菌が毛穴に入ると出来物ができてしまう。
次に使用していたのが薬用軟膏。
レーパン内部をクリーンに保てるが、長時間のライドだと汗などで流れ落ちてしまうのが玉にキズであった。

そんな現在、頼りにしているのが...



Ignore Sports Aroma Chamois GEL
高純度白色ワセリンベースのジェルである。


蓋を開けると爽やかな香りが。
丁度良い容量なので、遠征先でもバッグのポケットに入れておけるので、携帯性も高い。


ワセリンによる長時間の潤滑性と、配合されている各アロマオイルによる抗菌・抗炎症効果の良いとこ取り。
伸びが非常に良いので、上記の原因に対して少量で十分な効果を得ることができる。
長時間のライドに耐える持続性がありながら、シャワーを浴びる際にはすぐ流せるので衛生的に使用できる。

股ずれ問題は、自転車を愛する全てのサイクリストに起こりうる。
気付いたら股ずれになっていた、という場合が多いので、予防が非常に大切である。

苦手不得意な事というのは、どうしても避けていきたいもの。
股ずれにしろ、どうにも避けて通れない事ならば、上手く付き合うことを考えた方が何かと上手くいくものだ。

かつて先輩に、「何とも思われないよりは、嫌われろ」という格言を頂戴したことがある。
フランスに飛び出すという話をしている時に、フランス人達の顔色を窺ってナメられるよりも自分の主張をしっかり伝えて「こいつはこういう奴なんだな」と”認識”されろ、という先輩の教えであった。

そんな有難い言葉を胸に、よく言う口癖は、

「うん、いいんじゃない?」


Igname Sports Aroma

2 件のコメント:

  1. きへんに春という漢字が季節感に溢れてかっこいい字面ですよね
    明日の鈴鹿クラシック頑張ってください!◇\(^∀^)/◇

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    1. ありがとうございます。

      春先がいつも調子良いので、やっぱり春が好きだということにします。

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