2.3.17

表裏一体 〜卑劣と愚直〜

個人的に人や物事に対して、感じていた第一印象と中身が正反対だったという事がよくある。

とりわけ人に対しては人見知りが激しい性格のせいか、気負わず普通に自然に会話ができるようになるまで短くて1、2ヶ月、時には半年以上かかったりするので、なかなか打ち解けられずにその人となりに触れることが出来なかったりする。
動物とはなんだかウマが合う(動物だけに)というか、割かしすぐに懐かれる事が多くて楽しく遊んだりできるのだが...全く難しいものだ。

野中さんはその主たる例だ。
チームに合流する前は、背の高さと声の調子と不敵に見える笑みからバリバリ体育会系の隠れオラオラ系なのではないかと、正直ちょっとビビっていた。
実際は全くその様な事は無く、むしろこんな生意気な若輩のみならず誰に対しても笑顔で物腰柔らかく話してくれ、相手の考えている事や場の雰囲気を読み取り和んだ雰囲気を作ってくれる、頼れるお兄ちゃんのようである。チーム挨拶等でも、とりあえず野中さんがいれば安心、みたいな覚えがある。
最近では毎日更新されるブログを拝見して、この捻くれて荒んだ心に癒しと潤いを得てから床に就くのが日課になっている。

極めつけは雨乞、自・通称アマタツ、アマゴイ、アメちゃん、タツキ、タツにぃ、たっちゃん...etc、だ。
昨年末に初めて会った時には、なんと大人しくて純粋に物事を考えるピュアな青年なのだろうかという印象を受けていた。同い年だが。
しかしそこはスプリンターとしてゴール前の位置取りをせんとする様に、世の中をしたたかに生きる術を持っているようである。
幅広い人達と円滑なコミュニケーションを構築するのが得意な様で、その能力を少し分けて貰いたいものだ。
更にBBQインストラクター、スノーボードインストラクターの資格を持っていたり、かつてはカート乗り、はたまたリトルリーグの世界チャンピオンチームの副キャプテンを務めていたりと、正反対というかもう謎である。本人も自分でややこしいと言っていた。

あくまで個人の勝手な意見です。

多くの事柄には二面性があるようだが、大事なのは数々の用語や現象ではなく本質である。
本質を理解できていれば、そこから派生した二面性の表と裏も理解できる。みたいな事を誰かが言っていた。気がする。
では、我々の職業であるロードレースの本質とは何であろうか。

ロードバイクに限らず自転車に乗るきっかけや楽しみ方はいろいろあって、それこそ百人百様であろう。
かっこいい自転車に乗りたい、遠くの地や色々な所へ行ってみたい、はたまたレースに参加してみたい...十分、結構、良いではないか。
本場ヨーロッパでも様々な楽しみ方で自転車は乗られているし、お酒と同じように自分の楽しみたいように楽しみたいだけ乗るのが一番である。
競技からフィードバックを受けて、楽しみ方や裾野が広がっていくというのは、ロードレースがプロスポーツとしての存在意義を果たしている例のひとつであろう。

だが、UCIコンチネンタルチームの我々は何の為に走っているのだろうか。
言わずもがな、勝つことである。

機材、ジャージデザイン、賞金、世間やメディアからの注目...華やかに彩られたロードレース界。
だがゴールライン上では、誰が一番目立った、良い動きをしたとか関係ない。誰(どのジャージ)が一番にゴールラインを切るかだけである。
自転車を使って他人よりも強いことを示して、優越感で気持ち良くなるために走ってる。
恐らくこれは真理に違いない。と、確信している。

もちろんプロスポーツとして活動する上で、世の中の経済や社会のひとつとして何か産み出していかなければならない。商売であるから。
消費していくだけの活動は、いずれ消えるし、誰からも見向きもされないであろう。
とりわけロードレースはその殆どが、スポンサー収入によるお金で活動しているのが現状だ。スポンサーの為の走りでもあるという一面もある訳だ。
なので、人見知りで〜...とか言ってはいられないのだが。


ロードレースの本質の話に戻ると、加藤GMがAACAを立ち上げた想いをここで綴っている
これはある意味、加藤GMの視点からのロードレースの本質を突いた言葉に違いない。
正直、”草レース”と言われるレースかもしれないが、我々はこの加藤GMの言葉を元に本気で勝ちにいく。
普段、UCIレースで走っているように率先して展開を作っていくし、ホビーレーサーだからといって手を抜くことはしない。対等に駆け引きをしていく。

日本のレースでよく見受けるのが、なんとなく集団を牽いていたり、律儀にローテーションのペースや順番を遵守しながら回ったり、とりあえず目の前の先行している選手を必死で追ったりといろいろあるが、同じことをこのチームやヨーロッパのチームでやったら、間違いなく怒られる。
自分も初めてフランスに行った時には、それで苦労した。
常にロードレースは何手先も読み合って力がぶつかり合う、シンプルで複雑な競技だ。

レース後に「あのキナンの野郎、なんてせこい動きをしやがる。」「なぜあの場面であのような動きになったのか。」などがあれば、毎レース後にレースレポートをブログにアップすることになっているので、それを参考にしていただきたい。
全ては”勝つ為に”動いている。
一応少しでもお手本になれるように走るつもりではいるので、普段の練習の成果に、自分達のレポートを参考にしたレースの見方や考え方などのフィードバックをプラスして頂ければ、もしかしたら勝つことができるようになるかもしれない。

わからないことや聞きたいことなど会場で声をかけていただいても、全く構わない。
ヨーロッパではレース会場やテレビ観戦しているおじさん達のレースを見る目はすごく肥えていて、なかなかエッジの効いた問答を仕掛けられたりするので、プロとしてしっかり考えながら動かないと痛い目に会うのだ。

基本的に、ツールドフランスもパリルーベもJプロツアーもAACAも、やっていることは変わらない。ツールもパリルーベも走ったことはないが。
集団を形成している選手の脚のレベルが違うだけで、レースの難しさや面白さは変わらない。

なんやかんや書いたが個人的には、展開を無視して力でねじ伏せようとするフィリップ・ジルベールのような選手に憧れてしまう。だが力だけで勝てるなら強い選手は苦労しないが、そうはいかないのがロードレース。
いろんな動きがあってゴールラインまでのいろんなアプローチがあるが、結局ゴールラインを1番で走り抜けた選手が1番強かったと言われて、その人の動きが唯一の正解である訳だ。
勝ちを狙いにいく上で、相手のせこさも楽しめるようになったら、かなりの上級者であろう。

あくまで個人的な意見です。

そんなロードレースが心の琴線に触れたならば、もしくは「どのレースに出たら良いかわからない...」「参加する勇気が出ない...」。
KINAN AACA CUPに参加しましょう。

会場で選手がプラついているので、ぜひ捕まえて話を聞いて頂きたい。
人見知りだけど話しかけて欲しいとは変な話だが。あまり盛り上がらないかもしれないが、頭の中はフル回転してなんとか頭の中の引き出しから話題を引き出そうとしているのでご容赦願いたい。

そして素晴らしいスタッフによる万全のサポート体制とレース運営で、ロードレースを楽しんでいただきたい所存である。

次回は3/11のシリーズ第3戦



KINAN COUPE d'AACA

0 件のコメント:

コメントを投稿