大人の嗜み

個人合宿も折り返し、5日目。

事は凍てつく山中で起きた。
インターバル最後のメニューにて、半分過ぎた辺りでパッタリと脚が止まってしまった。

この感覚はそう、久々のハンガーノックだ。

ハンガーノックというのは体内に蓄えられているエネルギー源が枯渇して、血糖値が上がらなくなり強制的に身体が動かなくなってしまう状態。疲れてきつい、というのとは違う。
合宿の様に毎日追い込むような日が続くと消費した筋グリコーゲンを補いきれなくなり、練習中にエネルギー不足にならない為にも補給食を常に投入しなければならない。
なんか脚が回らないな、と感じた時点ですでに手遅れなので、早めの補給を心がけたい。

のであったが、調子も上がりつつあり、この日は"ギリギリ限界追い込む"といった内容ではなかったので、油断してあまり補給食をポケットに入れなかったのであった。
最近もルームメイトの某氏が苦しんでいたらしいが、自分がなろうとは不覚である。

何はともあれこの40分かかる山をなんとか登りきり(ラスト15分の平均パワーは147w)、峠を下りきった最寄りのコンビニに駆け込み、エネルギーを緊急補充。


冷え切った身体を温めてくれる効果のある紅茶に、血糖値をすぐに上げるチョコバー、多糖類の炭水化物にタンパク質を補充。

するとあら不思議。
「所詮選手としてこれまでか」「もう早く帰りたい」「寒い」といったネガティブな思考も吹っ飛び、脚がぐるぐる回り出し、イケイケどんどんでかっ飛ばせるようになったではないか。

ここで注意されたいのは、あくまで外からエネルギーを注入して血糖値が上がり身体が動き出した訳で、回復した訳ではない。投入したエネルギーを使い果たしたら、また動かなくなる。
また、筋グリコーゲンを多用するような強度は基本的にはあまり出なくなっている。

ハンガーノックになったら、基本的にその日中に回復はしない。
筋グリコーゲンは枯渇してから最大量まで補充されるまでに最低2日はかかるので、次の日も調子に乗らないように。
といった、なんか筋グリコーゲンと糖類の摂取量に関する新しい文献を最近読んだのだが、詳しい方は教えて下さい。

ハンガーノックはグループのペースに大きな影響を及ぼし、個人の問題に留まりません。
補給食の携帯、早めの休憩、無理のないペース配分を心がけることは、大人のマナーです。

しかし、高校生の頃は毎週一回はハンガーノックになっていたのはなんだったのだろうか。

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