30.9.17

Tour de Banyuwangi Ijen 2.2 4th stage

Tour de Banyuwangi Ijen 第4ステージ 98km

いよいよ、最終ステージ。ラストチャンス。
阿曽と2人で逃げ切りステージ優勝を狙う。各チームの思惑が一致した逃げができれば、逃げ切り確定。リーダーチームも無理して追わないはず。

とにかく、各チームの思惑がどうなるのか分からない。
スプリント賞はかなりの接戦で、グリーンジャージ獲得圏内に15人くらいいる。首位も同率で3人いる状況。差はないと考えていい。
まだステージ優勝を挙げていないチームも、人数を減らしながらもたくさんいる訳で、これは一筋縄にはいかないはず。
こんだけ状況が複雑なら、スタートアタックをしてみる価値はある。


10分前にスタートラインを陣取る。
絶対逃げに乗るという気持ちが高ぶりすぎて、なんかすごい緊張してきた。
得てして、こういう場合は空回りに終わる場合が多いのだが...

恵の雨の中、車1台分しかない田舎道を進み、レーススタート。
スタートアタックをするが、NEXチームが集団を引き連れて追ってくる。こいつら、そんなに力を見せつけるような立場のチームではないと思うのだが。
何か、目に見えない力が作用している気がして、集団前方に位置する事だけに脚を使い、各チームの動きを見る。

NEX、トレンガヌがどうも臭い。
ハッキリとは言い切れないが、動き的にアシストが1人しかいなくなったリーダーチームに買われている気がする。もしくは、単純にスプリントに自信があるか。
特に7-11とピシュガマンが、過激なアタックを繰り返している。
その他にも多数のチームが縦横無尽に動き回り、集団の意図が読み取れない。

ピシュガマンは無理矢理にでも逃げに選手を送り込む、もしくは逃げを潰そうとしてくる。
カーテンを閉められようが、押しのけてアタックを繰り出してくる。

何度かトライするが、ピシュガマンが一緒だと潰されるし、ピシュガマンがいなくても潰されるし。
要は、ピシュガマンが納得して、かつ総合とポイント争いが危ぶまれない逃げができるまで打ち合いが続くのであろうと考える。
スプリントに持ち込みたいチームがいないのかもしれない。
考えるのがイヤになってしまうが、なかなか光明の一筋が見えてこない。
今にして思えば、自分がどのタイミングで動くかよりも、レースを支配してるピシュガマンと7-11に合わせて動くべきだった。
カオスの時の、長いものに巻かれる理論だ。

1時間半、打ちに打ち合い、集団ひとつのまま周回に突入。6kmを6周。
相変わらず、ピシュガマンがレースをカオスにしてくる。
理屈じゃなくて、脚で決まるな。と思い、集団が前に行きたがるタイミングを外して、脚を溜めようとするタイミングまで待つ事にする。
ここまできたら、無駄脚はこれ以上使えない。潰されるアタックかどうかを見極めて、うまく立ち回らねば。

2周目に入ってからだったか、ピシュガマンの巨躯が踊る先頭グループが形成されるのを確認した。集団の動きが止まった。
どうやら7-11も2人入って、ピシュガマンも2人。なんたる失態。
集中切らして、肝心な場面を外してしまった。

距離もない中、組織立って前を追うチームがいない集団。
最後まで諦めない。逃げに乗れないのはしょうがない、けど追走は外してはならない。浅田さんの言葉だ。
人数の減った各チーム。ペースアップで捕まえるのではなく、追走をかけるチームがいるはず。

ピシュガマンが睨みを効かせる中、5人くらいがアタックした。
ピシュガマンの動きを観察。容認するようだ。
ピシュガマンの動きを見極めてからアタック、結構差が空いてしまったが、ギリギリで追いつく。
ピシュガマンは最初は追ってきたが、無駄だと考えたかすぐに差が広がる。


いいペースで前を追う。
確実に少しづつ、前との差が詰まっている。目測で15秒(先頭がカーブに進入してから、自分たちが何秒後にカーブに進入したか)くらいまで近づいた。

「よし、前までもう少しだ!」、この一言が余計だった。
みんな安心したのか、本当にキツくなったのか分からないが、急に三味り出して、ローテーションが止まり出す。
本当に勘弁してくれ。もう、先頭のゼッケンまで読み取れる所まで来てるじゃないか。
単独でブリッヂをかけるか迷うが、さすがに厳しそう。

沿道から、「15seconds!」「20秒!(福光さん)」「30seconds」と、無情にも差が開いていく情報が耳に届いてくる。
なんとか粘る。とりあえず集団から逃げ切れば、ステージの賞金が見えてくる。

ラスト1周に入る前に集団が近づいてくる、もはやここまでか。
ラスト1周のゴールライン上で、集団に吸収。


最後は集団後方でゴール。
ずっと”たられば”が頭の中でぐるぐる回る。くそ。

長かったインドネシア遠征も、心配していた体調不良に悩まされることなく、無事終了。
帰国の途へ...

いや、カレンダーを見れば、出国からまだ2週間しか経ってない...
なんかもう、半年くらいいた気分だ。

一度、インドネシアに来てみるといい。

29.9.17

Tour de Banyuwangi Ijen 2.2 3rd stage

Tour de Banyuwangi Ijen 第3ステージ 116km

最後は海岸線から、一気に1880mまで駆け上がる山頂ゴール。
特にラスト15kmからは、富士山須走口並みの登坂。
逃げに乗っていく。もしくは、ジャイのサポート。
序盤にスプリントポイントが数カ所設定されていて、逃げに選手を送り込みたいチームが多いはず。

グローブを忘れる。
しばらく打ち合って、抜け出せそうな雰囲気になる。
アタックすると3人になり、その後に10人くらい追いついてきた。もちろん、こうなってはペースが落ち着かない。

先頭グループでの打ち合いが始まり、考える。
昨日のダメージが思いの外、かなり残ってしまっている。
ゴールのことも考えて、脚を使わずに前に残れていればラッキーくらいの感じで、積極的には動いていかない。

3人が抜け出して、自分達は集団に吸収。
そこから7人がシャッフルで抜け出して、前に合流。とりあえずの形には収まる。


補食を食べていたら、歯の詰め物が取れる。
もごもごしているところを、ちょうど福光さんに撮られてしまった。

リーダーチームがアシスト1人しかいないのだがメチャ強。レースを成立させている。
最後に向けて、サプラがペースアップを開始する。

山岳に入り、苦手な激坂が始まったところで、明日の事を考えてペース走に切り替え。

本当に頂上があるのかと疑問に思うほど、長い長い登坂を終えてゴール。


ケツが痛い...

28.9.17

Tour de Banyuwangi Ijen 2.2 2nd stage

Tour de Banyuwangi Ijen 第2ステージ 181km

長丁場だが、ほぼフラット。
トマがDNS。
昨日と同じく、逃げに乗り、展開に合わせて動く。

かなり暑いのが心配。
スタート地点で脚を回していると、誰もアップしていない。
昨日のダメージがあるのか、長丁場だからなのか、恐らく序盤の動きは悪くなりそうだ。
「これはスタートアタックをかけてみるべきだな」と、感じる。

カカオ農園を抜けていき、0kmの看板が見えた。
コミッセルーカーが速度を上げるか否か、のタイミングでスプリント開始。
1.5秒くらいコミッセールカーのスリップに入り込み、一気に集団と差を広げることに成功。
技のひとつとして覚えておくといい。

あとは、適度に踏みながら、やる気と脚のある選手を待つだけ。
パラパラ追いついてきて、10人になる。みんなでガチ踏みローテーション。
集団には諦めきれないチームがいるのか、しばらく30秒差くらいで追ってきていたが、じきに差が開いていく。

ピシュガマン、st.george、CCNが強そうで、サプラとKFCが2人ずつ乗せてきた。
180kmの長丁場だというのに、いつまで経ってもローテーションのペースを落とさない奴が何人かいるせいで、なかなかペースが落ち着かない。
挙句そいつら、1時間半くらいで勝手にタレ始めて、三味り合って、ローテーションの輪を乱す。勘弁してくれ。

途中のスプリントポイントは全部無視。ステージ優勝に集中する。そんなにみんな賞金とポイント賞が欲しいのか。
途中、監督から「リッチーが降りたから、ステージ勝ってね」との情報と指示。
そら今んところ、勝ちパターンでレースが進んでいる。任せなすって。

110km地点くらいから、17kmくらい登るKOMが始まる。
KOMと言っても斜度は2~3%くらいで、ほとんど登りらしい登りがない。
みんな疲弊したのか牽制が始まり、アタックの掛け合いに。
しかし、登坂でスピードが落ちたせいか、頭と身体に熱が籠ってくる。脚が重くなってきた。

これはヤバイやつな気がする。
登り口までも水分補給はできていたし、エネルギーも補充できていた。
モルッカでは定期的にスコールに降られたので快適だった。
だが赤道直下の炎天下。頭ががんがん痛い。ボーっとする。脚が痙攣。脱力感。完璧な熱中症。

なんでもないペースアップで遅れる。
脚が動かない。ヤバイ。
キナンの名にかけて、ここで「キツくて遅れました」では済まされない。

幸い、先頭が見える範囲で頂上通過。10秒差。
下りに入り、いくらか冷却された脚が復活。しかし、攣りがどうにもならん。
先頭に追いつくも、アタックの打ち合いが激しい。正直、手も脚も出せない。

ピシュガマン、st.george、サプラの3人がいい勢いで抜け出した。
こちら側は、アタックをかけては牽制で、ペースが上がらない。みんな、逃げに送り損ねたKFC2人をあてにしている。
健康状態なら単独ブリッヂで追いつけるだろうが、今や攣った脚で千切れまいと歯を食いしばるのみ。

「これはやられたな〜」と思いつつも、レースは最後まで諦めない。浅田さんから何回も言われた事だ。
とりあえず抜け出されたが、あちらは3人。こっちはサプラが1人いるが、ちゃんと回れば6人いる。力づくで抜け出された訳でもなし、ゴールまで下り基調だし、数の利はこちらにある。
落ち着いて、「こっちは6人だから、落ち着いて回れば追いつけるぞ」と声かける。

みんなで回るが、この期に及んでCCNが三味る。マジ、○○○○。
無視すりゃいいのに、回ってるメンバーまでもが三味りだす。

参ったぜ。
みんなキツイのか、トップでゴールするために何をすべきかを放り出して、今この瞬間を少しでも楽をしようとしている。ロードレースの人間臭い所だ。

自分はというと、いよいよヤバくなってきた。正直、まっすぐ走るだけでもしんどい。
朦朧とした意識で脚を攣らせながら、先頭切ってローテーションを促すが、すぐに止まってしまう。

サプラがアタック?かペースアップをした。
よく分からないが、それについていけず。
最後のボトルも底をつき、モトに水を貰うが、炎天下で熱湯になっていた。

フラフラで走っていたら、トレンガヌがコントロールする集団が追いついてくる。
やっと集団で休める、と思ったが、そこからも遅れる。

チームカーから命の水を貰い受け、1人で残り30km。今度はタイムアウトとの戦い。
さっきまで先頭で優勝争いをしていたのに、気づけばタイムアウトとの戦い。
なんか、ごちゃごちゃ考えながら走ってたが、よく覚えていない。

箒車に急かされ、交通規制で渋滞の先頭になりながら、なんとか時間内でゴール。

あの3人が逃げ切った。
何って、めっちゃ悔しいわ、私。

27.9.17

Tour de Banyuwangi Ijen 2.2 1st stage

Tour de Banyuwangi Ijen 第1ステージ 137km


インドネシア、ジャワ島はイジェン火山の麓に広がるバニュワンギ県で開催されているレース。


TOJでの反省から、初日から全員で積極的にタイム差を奪っていくことに。
常に誰か、1人は逃げに乗るようにする。
距離は短いが、最後のKOMはかなり険しいらしい。


風が強いなか、打ち合いが始まる。
なかなか決まらない。
何度かキナンが乗り損ねた逃げができかかり、それらを潰す動きで結構足を使ってしまった。


37kmの最初のスプリントポイントまでもつれ込む。
みんなかなり疲弊していて、動きが鈍る。
ここでアタックかけたら決まるな〜、と死相を浮かべながら思っていたら、ジャイがアタック。
そのまま主要チームの9人逃げ。

逃げに送り損ねたクウェイト(今回はレベリンとシューマッハのコンビが来てる)がコントロールを開始。
しかし、「お前が牽けよ!」「いやお前だろ!」と集団先頭でケンカが始まり、みるみる差が広がる。笑

説き伏せられた2人が、振り出しに戻そうと追撃を開始。
かなり速いペースで追いかけて、70km地点くらいでジャイ達を捉えた。


st.georgeが1人抜け出して、それにブリッヂ。2人で逃げる。
ところが強敵2人、7-11のエドガーとピシュガマンのエース、それとサプラがジョインしてきた。
これはあまりよろしくない状況。リッチーかトマが一緒なら、KOMまでフルガスで行けるのだが、このまま協調しては危険な選手のアシストになってしまう。
最初は止まらない程度に回していたが、エドガーとピシュガマンに「ごめん、協力できない」と謝る。サプラと自分以外が回る。

差が40~50秒で一定。
どこかがコントロールしているのだろうが、情報がない。
コミッセールに聞いても分からない、チームカーを呼んでも来ない。
もし、先ほどのようにクウェイト(もしくは他のチームも)が牽いているならば問題ない。
だが、キナンもこの2人に対して危機を感じているはずだし、それでもし集団牽引を始めているなら戻るべきだ。

判断がつけられないまま、KOMに差し掛かる。約15km登る山岳。自分の苦手とする斜度のキツイ峠。
本音として、早く集団が追いついてほしい。序盤に脚を使いすぎて、結構キツイ。ピシュガマンが強すぎる。st.georgeがきつそう。

集団との差は縮まってきている。かといって、そう諦めるわけにもいかない。なんとか、トマ達が追いついてくるまでは食らいつかなければ。

登り始めて10km、クウェイトの牽く集団が追いついてきた。もう、20人くらいになっているだろうか。
自分達が捕まったところで、ドンパチが始まる。
耐えきれず、頂上まで3kmで脱落。

後ろはバラバラになっていて、1人旅。
頂上を越えてからも、激坂を越えて下ってがひたすら続く。一番苦手なやつ。
どうやってこんな道を見つけたのか。観客もいないジャングルを1人、喘ぎながら抜ける。
元喜の筋繊維の千切れる音が聞こえてきそうな、あのペダリングを思い出しながら、激坂をクリアしていく。

昨日、リッチーに「39Tじゃ山を越えられねぇぞ。34Tか36T付けた方が絶対良いべ。フガッ」と忠告されいて、36Tをつけてもらったのは幸いだった。
しかし、段々腰がヤバくなってきた。

昆虫採集に明け暮れていたガキんちょの頃には、いつかこんなジャングルに来て、珍しい昆虫を捕まえたいと思っていたものだが。
今ではもう、ウンザリしている。

やっと最後の激坂を乗り越えて、20kmのダウンヒル。
穴ぼこだらけの、未舗装よりもタチが悪い悪路をガタガタ下っていく。恐らく、最初に何十年も前に舗装してから、一回も直しを入れてないのではないか。
訳の分からぬ怒りが込み上げてくる。キナンの重機を持ち込んで、全部一直線の平らに均してやりたいものだ。重機は扱えないけど。


最後は腰が爆発して、ヘロヘロでゴール。

23.9.17

Tour de Molvccas 2.2 5th stage

9/22 Tour de Molvccas 第5ステージ 83km

12:45ホテル出発で、午前中は特にする事(今大会で何時間、特にする事が無かったか)もなく、取り立てて事件も起きず、レースレポートを上げて過ごす。
今大会は時間がありすぎて、スマホのメモに逐一その時の状況を記していた。それらを一気に記事にする。


時間になり、ジャージに着替えてバスに乗ると、運転手が行方不明で出発できない。
代わりのバスに乗り換えて、クラクションを鳴らし続けて、ギリギリ事故じゃないレベルで爆走していく。

ここまでくると、何かしらのハプニングが起きてくれないと不安になってくる。
小出しにしてもらわないと、とんでもない事が起こりそうで怖い。


スタート地点に到着。普段はプライベートビーチっぽい。
レースは、ジャイの総合逆転を果たすべく、チームでスタートからフルガスの総攻撃。
リーダーを丸裸にしてジャイを抜け出させ、スプリントポイントなりゴールで着るなりで秒差を返していく。
周回に入る直前に登りがあり、そこまでには自分か阿曽が前待ち、ジャイ達がフルもがきで合流後、差を広げる。

リーダーとは5秒差。
たかが5秒、されど5秒。これが結構難しい。
だが、キャプテン・ジャイ曰う、「へっ、フィリピンじゃぁ2分差をひっくり返したんだから、訳ねぇぜ」と。

スタートからかなり狭くてアップダウンがキツい。
後ろに下がってしまうと、全然前に上がれない。
各チームの思惑が絡み合い、かなり熾烈な打ち合いになった。


14km地点のKOMでアタックをかける。
5人くらい抜け出していたが、パスして踏み続ける。
そしたら後ろからトマがアタック。これはやられた。
トマとトマをチェックした数人から、ジリ貧でじわじわ差が開いていく。


後ろからジャイ、リッチー、リーダー達が追いついてきた。互いに見合っている。
前に乗るべく、さらにアタック。
LXのアジアチャンプと一緒になり、前を追う。
前ではトマがおらおら踏んでいるのが見える。後ろに気づいてくれ。


なんとか追いついて、8人の逃げになった。
7-11の2人、LXのアジアチャンプ、トレンガヌが強そうに見える。
とりあえずの思惑は全員一致しているので、抜け出した速度のままローテーションを回していく。
登りの度にトマが踏むので、マジでキツい。


協調が崩れる事なく、周回に入る。6kmを7周。
集団との差は4分で止まり、登りでジャイがリーダーを振りきれなかったのだろうか。
いつジャイが抜け出してもいいように、入ってくる情報に注意する。

ゴールラインでのスプリントポイントで7-11とサプラが頑張っている。
確かに賞金は魅力的だが、そこまで興味はない。

ハッ...なんてヘマをしてしまったのか。
昨日のステージ優勝で、何P差かでポイント賞の2位につけていて、十分ひっくり返せる位置にいることをすっかり失念していた。
取られてしまったものは仕様がない、ここは敢えて興味を示さなかった、という体で行くしかない。

次のスプリントポイント、7-11が早駆け。
サプラがチェック、自分もすぐにチェック。
だか速くて捲れない、3着に甘んじる。
そこまでスプリントできないんだな、という印象を与えた、という体で頭を切り替えていくことにする。

最後のスプリントポイント、今度も7-11が早駆け。
サプラは先程からしんどそうになっていて、モガかない、というか脚が終わってそう。
誰と争うこともなく、2着。
む、もしかして7-11もいい位置につけているのか?
ダメだ、ポイント賞のリザルトは流し見ただけで、正確なポイント賞争いの構図を把握していない。

残るはゴールのみ。
集団との差が縮まり、どこかのチームが追っているのであろうが、これは逃げ切り確定である。

LXのアジアチャンプは、逃げが決まった時からローテーションで抜く度に自分の顔とコンピュータを覗き込んでくる。確かに第1ステージではKOMで置き去りにしたが、彼と真っ当にスプリントをして勝つことはないだろう。
7-11の1人は先程からモガいて強そうだが、脚を使いすぎてやいないだろうか。
この2人の動きに注意しておく。

最終周回に入り、トマが「ラスト3〜4kmで仕掛けるから」と言ってくる。
確かに数の利はあれど、純粋なスプリントに劣る自分達に残されているのはアタックしかない。
もう一言、「7-11に気をつけろよ」。
よもや、自分のスプリントに期待しているのか。
真意を確かめる間も無く、トマがアタック。

7-11の片方(といっても、フィリピンでジャイと総合争いをしていた)がまとめる。
だが他には、全員が全員、スプリント勝負に賭けるようだ。

トマが自分の為に前で動いてくれている、これは腹括って勝つしかない。
トマが派手に動くので、自分が後ろで三味って観察していることに、誰も警戒しない。
あまり脚に余裕が無いのだろうか。

500m...200m...
この手に汗握る駆け引きは、いつになってもドキドキする。最高。
200mになってもみんな見合うとは、かなり脚が無いのか?
これは、ワンチャンある。


左からフルスプリントで早駆け。
昨日みたいにごちゃごちゃ考えない。
若干右にカーブしていて、100m切らないとゴールラインが見えない。
観客の声援が凄すぎて、後ろに迫られているのかどうなのかよく分からない。


ゴールラインまで横に並ばれることなく、フィニッシュ。
結構すぐ後ろまで迫られていたのか。もっとフェンス側走ってたと思ったのだが。
やはり、こういうチームでプロに写真を撮って貰えると、レースの反省点が見えたりしてありがたい。


今日はトマに直にアシストされて貰ってしまった。
集中しすぎで、福光さんの姿を見つけられなかった。お誕生日おめでとうございます。


今レース一番の暑さで、汗だくになりながら表彰を受ける。


ギリでポイントジャージを獲れた。
2回目のスプリントポイントで気づいてなかったら獲れなかったかもしれぬ。


良かった。
ヒゲは剃った方が良かった。

ホテルに戻ると阿曽が、「最後、何ワットで踏んでたんですか?」と聞いてくる。
そんなもん、見てる訳なかろう。
夕食はピザハットがいい、とリッチーが駄々をこねて、近くのピザハットへ。
トマが「インドネシアのピザは全然大きくないぞ」と言うので、自分もラージサイズを注文。


リッチーと一緒にDNF。しばらくはピザの匂いを嗅ぎたくない。
トマとジャイはペロリと完食。トマに「petit moteur」と、言われた。
油が重すぎて、胃もたれ。若干腹がおかしくなる。

さて、次はロンボク島、バリ島を通り越し、ジャワ島を舞台にした、Tour de Banyuwangi Ijenのために移動する。
噂では9時間のバス移動が待ち受けているらしいが...

Tour de Molvccas 2.2 4th stage

9/21 Tour de Molvccas 第4ステージ 141km


のんびり起きて、のんびり朝食をとり、出発までのんびりする。
初めての快晴で、朝から気分が良い。

井の中の蛙、大海を知ってしまったが如く、心のどこかでハプニングを期待している自分がいる。
人間は本来、自分のエリアの中に自由を求める慎ましさを持っている。
しかし、外の人間、外の空気に触れた人間からすると、元が窮屈な洞窟のように感じてしまうらしい。

9:30に、またしてもファンライドイベントに召集されるが、結局行われず。
そのまま待ち惚けて、11:00にやっとレーススタート。

昨日と同じく、作戦はオープンに。
逃げでステージ優勝を狙う。
第1ステージの逆走で、多少のアップダウンはあるもののゴールまではど平坦なので、ジャイの逆転を狙うにはここでは難しい。
けど、何が起こるかわからないので、警戒をしていく。

スタートから打ち合う。
リーダーチームのst.georgeは、力をセーブしてあまり積極的には捕まえようとしない。
キナンの誰かが動くと、さすがに捕まえてくる。

20kmくらいで、各有力チームの5〜6人くらいが抜け出して、st.georgeも容認しようとしている。
しっかりと間が空いてから、先頭との速度差をつけてブリッヂをかけた。
後ろにst.george始め、数人にチェックされたものの、集団から抜け出しに成功。
15人の逃げになる。

差が開きすぎてもジャイの総合が危ぶまれるので、ローテーションが止まらない程度に流して、脚をセーブする。
st.georgeのやつも同じ考えのようだ。

62km地点のKOMでみんなが争い始めた。山岳ジャージ圏外でも、賞金が出るからである。
人数を減らしたいし、脚のレベルを確認する為に、KOMが終わってからみんなが脚を止めて、さらに登っているところでアタック。KOMだからって、必ず頂上に設置されている訳ではないのだ。これは世界共通。

マークされているので、誰がどれくらいでついてくるか確認する。
トレンガヌ、CCN、st.georgeはすぐに反応してきた。あと3人くらいが何とかついてきた感じ。
ゴールまで80km残しているので、まだ攻めない。12人に人数が減った。

CCNの選手はこの3日間で強いことが判明している。st.georgeはかなりもがける。トレンガヌは脚はありそうだが、スプリントがなさそうなので、自分と同じ様な動きをしてくるだろう。
そんな感じで各選手を観察して、動きを注意していく。

一時は6分半まで開き、さすがにジャイの順位も危ぶまれるので、つき位置。
何で牽かないんだと怒ってくる選手にはちゃんと説明するが、あまり納得はされない。
立場が逆なら自分もイラつくけど。

逃げを決めたい選手は綺麗にローテーションを回し、あまり差が開くと困る選手は後ろで待機している状態が続く。
ラスト25kmくらいから集団が一気に1分くらいまで差を縮めてきた。
すると、ローテーションの団結力がさらに強固なものになり、ペースアップが始まった。
st.georgeも回り出しているが、ステージを狙うように言われたのだろうか。
いずれにしろ、このままスプリントになだれ込まれては、苦戦しそうなので、どうしたものか。

1分〜40秒くらいの差で追いかけっこが続き、ラスト5kmの看板を確認。
これはギリギリ逃げ切れそうだなという空気が流れたところで、いよいよステージ優勝争いが始まった。

CCNが積極的に仕掛けてくる。
だが、みんなもCCNが強いと分かっているのか、まとまる。
みんな意識が前だけに集中している。

一瞬のミスが許されない駆け引きを続け、ラスト3km。
ついにCCNが抜け出した。全員お見合いする。
「これはGOだ!」と身体のどこかでシグナルが発せられ、自分史上最高のキレだった脊髄反射アタックで前を追う。

抜け出しに成功し、追いつく直前に後ろを確認すると、トレンガヌにチェックされていた。
ここで半端にお見合いをするよりかは、協調を促す動きでCCNをパスする。
ところが、トレンガヌがCCNの後ろで三味ったせいで、2人が見合った。

「行ける!」と、本能でアドレナリンの緊急放出が作動する。
だが理性が0.5秒くらい、ゴール前でタレるんじゃないか、捕まったらどうしよう、ここは落ち着いてスプリントで3位以内に入れば上出来ではなかろうか...と、脚を惑わせた。
いや、ここはALL or Nothing。1位じゃないと、勝たないと意味がないんです。
覚悟を決めた。

いける、北海道前に2分のCPを更新したし大丈夫だ、と自分の脚を信じて踏み続ける。
エアロポジションを取った時に、後ろが見えてしまった。
トレンガヌを振り切ったっCCNが猛追してきている。しかし、差は一定で変わらず、徐々に開いている様にも見える。奴もキツいのか、と判明。
「早く諦めろ〜!」と、後ろに念を送り続け、すぐに現れるはずのゴールラインを目で探し求める。

ペースも何も考えず、大臀筋と大腰筋の最大出力を爆発させる。

500m、最後のカーブを曲がると遂にゴールゲート、待ち構えるフォトグラファー、観客の黒だかりが目に入った。

キツいけど、脚からはまだまだパワーがみなぎってくる。
勝手に'12世界戦のジルベールと重ね合わせ、彼もこんな心境で舌を噛んでいたのだろうかと考える。


そんなこんなで、ゴール。


トマが真っ先に祝福にきて、喜んでくれた。
脚質、役割上、あまりゴール勝負に絡んでこなかった自分だが、月に一度のKINAN AACAカップでこなしてきた勝負の駆け引きが、ここで活きてきたな、とふと思った。


ヒゲ剃っておけばよかった。



表彰を受けて、今大会で一番ヤバかったセルフィニスト達の猛攻を潜り抜け、アンボンまで戻るためにフェリーへ乗り込む。


寝台があるが、物置のようにも見える。


ここまでのステージを走ってきた、セラム島。
無人島のような雰囲気だ。


今日は潮風に吹かれながらの昼食。
ある意味、ハプニングが起きた1日であった。
明日は忙しくなりそうだ

Tour de Molvccas 2.2 3rd stage

9/20 Tour de Molvccas 第3ステージ 153km

6:15。
廊下が慌ただしい。不吉な予感がする。
各チームスタッフが何やら、右往左往の大騒ぎになっている。

大会から御達しが来たそうで、急遽、8:30から行われるホビーライダーのファンライドイベントに参加しなければならないらしい。
急いで会場へと向かえば、誰もいない。やはりな。


一応、朝食会場も設置されていて、とりあえずみんなでコーヒーを一服。

していたら、歓声が何処からともなく響いてくる。
出ました、放置しといて勝手に始めるやつ。
だらだらと30分くらい連れまわされて、いろんな踊りで歓迎され、スタート地点に辿り着いた。


だが、そこで待ち構えていたのは、朝の満員電車ばりの人口密度で押し合いへし合いしながら、選手達の写真を収めんとする、セルフィニストの群衆であった。
iRCコーステープを規制線代わりに使い、何とか準備するスペースを確保する。
しかし、それでも諦めないセルフィニスト。特に子持ちは、子供達の笑顔を盾ににして規制線を突破しようとしてくる。
だが、それらを遠ざける兵隊と警官。助かる。
と思いきや、あげく兵隊と警官までもが、どさくさに紛れて「ミスタ〜」と笑顔で腕を掴んでくる。
その笑顔には、無下に突っぱねたら撃ち殺されるんじゃないかと思わせる、有無を言わせぬ威圧感と影を纏わせている。
さすがにイラッとしたが、さっさと撮らせて、アップも無しに、揉みしだかれながら逃げるようにしてスタートラインへ転げ着いた。

コースは昨日の逆走をするコース。
ゴールは2kmの頂上ゴール。

作戦としては、オープン。
逃げに乗って行き、ステージを狙っていく。
もし集団内でゴールしそうなら、先輩達を先頭で入らせて、発射する。


スタートしてすぐに、きついアップダウンが続く。広島三段坂を延々繰り返している感じ。身体は軽く、脚がよく回る。
本音として、もしここで逃げに入れなければ、自分の勝利の為に100%の力を使えなくなるので、ここは必ず決めなくてはいけない。明日以降のコースを考えると正味、ラストチャンスだ。
総合上位は見合っているし、リーダーチーム(st.george)も不要な逃げの吸収は避けたいはず。

アップダウンがかなりキツイので、決める為のアタックをかけるタイミングを、落ち着いてギリギリまで探っていく。
うまいこと立ち回って、そろそろ抜け出せるかと準備したところで、リッチーから「今日はノーアタック、最後の登坂までリーダーチームと共闘して、ジャイ達に勝負をさせる。」との御達し。


そんな感じで、リーダーチーム2人と阿曽の4人でペースメイク。


逃げを作るが、大人数が抜け出さないようにする。
淡々と回してるだけで、先頭との差が広がったり縮まったり、前のペースが安定していない。
これは勝手に降ってくるな、と気が楽になる。


特にやる事、考える事がない。
ラスト15kmで、ペースアップもしていないのに、前が勝手に諦めて、勝手に降ってきた。
集団が不安定になりやしないか警戒するが、特に何も起きずにラストに近づく。


最後も7-11とCCNがちょろっと位置取りしてきただけで、踏むだけで先頭で登り口に突入。

トマ、ジャイ、リッチーを発射すべく、立ち上がりからフルスプリント。
そこからさらにトマがもりもりアタックしていく。
最後はリッチーがステージ優勝。ジャイはリーダーと一緒にゴール。


ゴール地点は空港らしく、セルフィニストが少ない。
リッチーのステージ優勝もあり、気持ち良く後片付けをする。

さて、今夜のホテルは昨日のホテル。つまり、またあの山越えをしなくてはならない。
幸い、藤間さんが昨日の非力なバスではない、普通のバスに席取りをしてくれた。


出発!と、思いきや、また給油を始めた。先にやっておけば...いいじゃん!!
あまり燃料臭くないので、「これって、ガソリン?」と聞くと、「違う、なんとかだ」と、英語とインドネシア語でやり取りする。とりあえず、ガソリンではないことを確認した。


タバコをくゆらせて。
彼らからすると、タバコでも吸ってなきゃ、やってられない作業なのだろうか。
それともあるいは、燃料の匂いをごまかすために、あえて吸っているのかもしれない。
インドネシア語が話せないので、知る術はない。


昨日越えてきた山々。今日も越えてゆく。


昼飯はゴール地点の物ではなく、藤間さんの用意してくれた白飯。自分で持ってきたオイルサーディン。
密林を眺めながら食べる飯も、悪くはない。見てくれは見逃して欲しい。

バスは後続車に抜かれつつも、快調に山々を越えてゆく。


途中でタバコを吸いながら給油して、21時にホテル到着。
いろいろありすぎて、1週間ぶりに訪れたような感覚だ。


さぁ、明日は何が起こるのか